B型粘度計とは?原理と正しい使い方のコツ、良く起きるトラブルとその要因について

2022.07.01

本記事では、「B型粘度計」について粘度計取扱代理店である英弘精機株式会社様の監修のもと、原理や正しい使い方の解説を行っています。

B型粘度計とは

B型粘度計は、スピンドル・ローターと呼ばれる回転子を液体に浸し、モーターで回転させて流動抵抗を計測する回転粘度計の一種です。

アメリカBrookfield社(現:AMETEK Brookfield社)が世界で初めて回転粘度計を開発・上市し、このタイプの粘度計をBrookfield型粘度計、略してB型粘度計と呼ばれるようになりました。
このタイプの粘度計はモーターの回転数を変更することができますので、非ニュートン性の特徴を有する測定試料の粘度測定に有効です。

B型粘度計の原理

粘度を測定する際には、ビーカーなどの容器に測定試料である液体を入れ、スピンドルを液体に浸します。モーターを回転させるとバネ、スピンドルも回転しますが、測定試料の流動抵抗を受けてバネにねじれが生じます。このねじれをトルクセンサーで検出し、トルク値として得られます。このトルク値とスピンドル・回転数の組み合わせで決まる定数から粘度を算出しています。
これがB型粘度計の原理となります。

粘度計に搭載されているバネは測定する試料の粘度に合わせて低粘度用・中粘度用・高粘度用があります。バネの違い(トルクモデル)、スピンドル、回転数により測定可能な粘度範囲が異なりますので、測定したい試料に合わせて適切なものを選択し測定しましょう。

B型粘度計で良く起きるトラブルとその要因

(1)B型粘度計のスピンドルの選択方法について
B型粘度計では、トルク(%)が10%~100%の間 に限り正しい粘度を測定することができ、そのような条件に当てはまるスピンドルを選択する必要があります。
粘度計の測定可能粘度範囲を決定する大きな要因は、スピンドルのサイズと回転数になります 。 同じ回転数で測定した場合、 サイズが大きなスピンドルほど 低粘度の試料を測定することができ、サイズが小さいスピンドルほど高粘度の試料を測定することができます。また、同じスピンドルでも低回転数では高粘度の試料を測定でき、高回転数では低粘度の試料を測定することができます。

つまり、ある試料を測定中にトルク値が100%を超えた場合は スピンドルサイズを小さくするか、回転数を落とす必要があります。逆に、トルク値が 10%に満たない場合、スピンドルサイズを大きくするか、回転数を上げる必要があります。
非ニュートン流体を測定する場合、試料の粘度や降伏応力はスピンドルのサイズ、回転数により異なってきます。
試料間 で粘度値の 比較を行う場合は、測定条件(使用するスピンドル、回転数の組み合わせ)を等しくしてか ら測定してください。

(2)自社での粘度値と仕入先もしくは出荷先と粘度値が合わない場合について
それぞれの装置にて粘度標準液を測定して許容範囲内の粘度値が得られていることを確認してください。もし許容誤差範囲から外れる場合は修理又はキャリブレーションが必要となります。
許容範囲内の粘度値であった場合、測定条件が一致しているかを確認してください。温度が安定しているか、本体のトルクレンジ、スピンドル、回転数、測定時間、容器の大きさ、試料が均一になっているか、気泡が入っていないか等を確認してください。
レオメーター等と相関を取る場合は、共軸二重円筒型やコーンプレート型のせん断速度を規定できるオプションを使用し、せん断速度を合わせて測定してください。

(3)試料の性質
試料の中には時間経過と伴に粘度が変化するチクソトロピーと呼ばれる性質をもつ試料もあります。
そのような性質の試料の場合、測定時間、測定前にどのような力を加えたかの履歴が粘度値に影響を与える可能性があり、測定前から条件を揃えて測定するようにしてみてください。

B型粘度計を正しく使うには

装置のセッティングを正しく行う必要があります。
(1)装置の水平
装置の水平が取れていないと測定値が安定しません。装置の水準器で水平状態を確認してから測定してください。
(2)温度
粘度は温度に大きく依存しており、室温で測定をしている場合、夏と冬とで値が変わる可能性があります。試料の温度が安定していることを確認してください。試料を温調して測定することを推奨します。
(3)測定条件を合わせる


標準スピンドルでの測定の場合、同じデータを得るためには容器、容量、スピンドル、回転数、温度が等しい状態で測定する必要があります。ブルックフィールド粘度計のトルクレンジは10~100%のみが有効です。10%未満は精度が低くなります。
(4)故障を防ぐ
スピンドルの取り付け、取り外しの際はシャフトを持ち上げながら行ってください。ベアリングに大きな負荷が加わるとポイントとジュエルを破損する恐れがあります。

まとめ

B型粘度計は塗料や食品、医薬品、電子材料等の幅広いアプリケーションでの粘度管理に使用されています。誰でも簡単に回転数を変えて液体の流動特性を知ることができます。ただ、ちょっとした測定条件の違いやチクソトロピー性のような試料の特性により、値の相関や再現性を得ることが難しくなる場合もあります。装置のセッティング、標準粘度液での装置のチェックを日々のご使用時にしっかりとご確認頂き、正しくご使用頂ければと思います。

 

もっと詳しく知りたい方へ

また、本記事を監修した英弘精機株式会社様にて、粘度計の基礎講座をオンデマンドにて配信しております。好きな時にいつでも見られますので、是非以下よりお申込みください。(無料)

内容に応じて3種類の基礎講座があります。
1回フォームを入力すれば、3つのセミナーすべて視聴することができます。

基礎講座①

・粘度計の基礎
・粘度計の種類
・回転粘度計の種類

基礎講座②

・Brookfield粘度計の紹介
・基本的な操作方法
・測定トラブルシューティング
・B型粘度計オプション

基礎講座③

・B型粘度計の校正方法
・サポート情報
・よくある質問紹介

下記のフォームに入力いただくことでも、セミナーの視聴申込を行うことができます。

 

 

関連記事:分散処理をされている方へ

B型粘度計では様々な液体サンプルの粘度を測定することが可能です。粘度計での測定時には、原理上全体が均質なサンプルで測定を行うことで、より精度よく測定を行うことができるようになります。

特に分散系サンプルの均質化に役立つ、最適な分散条件についての記事も公開しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください!

画像クリックで記事へ

液体の分散処理をしている方へ。 より短時間で分散を!分散処理を行う際の最適条件とは?