フッ素樹脂の加工技術にはどのようなものがあるの?vol.1

2021.11.19

「フッ素樹脂の加工方法はどんなものがあるの?」という疑問にお答えします。今回ご紹介するのは、「切削」「溶接」「溶着」の3種です。普段何気なく使っている工業製品は、このような加工技術の結晶になります。

はじめに

フッ素樹脂製品の加工方法のうち、特に代表的な3つ【切削】【溶接】【溶着】についてご紹介します。

金属加工にも用いられる汎用性の高いものから、フッ素樹脂特有の性質を利用したものもあります。金型を用いた成形品以外は、この3つが基本形です。それでは、それぞれ詳しく紹介していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。

切削加工

切削加工とは、読んで字のごとく材料を「切ったり削ったり」して形を作る加工になります。基本は機械加工となり、下記のような種類がございます。

①【旋盤】… 工作機械の中で数多く用いられている代表的な機種の一つで、一般に円筒または円盤状の工作物を回転させて加工する機械です。この機械により行う加工には、外丸削り、面削り、テーパ削り、中ぐり、穴あけ、突切り、ねじ切り等がございます。

②【ボール盤】… ドリル工具を回転させて穴あけ加工を行う機械で、リーマ仕上げ、ねじ立てなどの加工も行うことができます。

③、【フライス盤】… フライス工具と呼ばれる工具を回転させ平面、曲面、みぞなどを加工する機械です。加工に用いる工具には、正面フライス、エンドミル、溝フライスなど多くの種類がございます。

④【マシニングセンタ】… 中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げ等、多種類の加工を連続で行えるNC工作機械で、それぞれの加工に必要な工具を自動で交換できる機能を備えています。機械の軸構成によって横形、立て形、門形など各種のマシニングセンタが使われています。近年では、直交3軸と旋回2軸とを同時に制御することで、更なる複雑形状の加工を可能にする”5軸制御のマシニングセンタ”の普及が進んでいます。

溶接加工

フッ素樹脂の溶接加工は、基本”PFA製の丸棒”を使用した『ロウ付け溶接』となります。対象物に熱を加えながら、PFA丸棒を溶かして接合させます。

ただし、ここでご注意頂きたいのが、フッ素樹脂の中の代表的な素材であるPTFEは、”溶融性樹脂”ではないという事です。よって、PTFE同士をPFAの丸棒で溶接した場合、完全に溶けた状態で接合している訳ではございません。どうしても強度面で弱さがでてしまいます。

この場合、金額が上がってしまうのですが、対象物も溶融性樹脂であるPFAにする事により強度面でしっかりとした溶接が可能となります。

尚、次に説明致します『溶着加工』には劣りますが、十分な強度が確立できます。

 

溶着加工

それでは次に「溶着加工」と「溶接加工」の違いを説明致します。先程ご紹介した「溶接加工」は、ロウ付け溶接の為、厳密には「未溶接部」が存在するという特性がございます。

”辺と辺”同士をPFAの丸棒で溶接する為、辺同士は接合されても”面”同士は接合されないのです。(ある程度は面まで溶かして溶接を行いますが、職人の力量に影響される所になります)

 

 一方「溶着加工」とは、熱と圧力を用いて接合したい面同士を加熱し、その時に発生する熱膨張力を用いて接合させます。この加工方法では接合面同士を結合させることから「未溶接部」が残りません。その為、強度は母材とほぼ同等レベルにまで高まります。

ただし、溶着機という機械を用いた加工となる為、面同士をあわせる事が可能な簡易な形状(チューブの端面同士など)と限定されてしまいます。

まとめ

今回は、「切削」「溶接」「溶着」の3つの加工方法について解説しました。フッ素樹脂の加工方法はこれだけではなく他にも「賦形」「チューブの曲げ・封じ」「縫製」「洗浄処理」などがあります。

これら4つの加工技術については、別記事にて詳しく紹介していきます。