【動画解説記事】理化学ガラス器具を安心安全に取り扱うための工夫【ガラスコーティング】

2021.10.28

実験室や研究室にはたくさんの理化学ガラス器具がありますが、ちょっとしたことが原因でうっかり割ってしまい、怪我をされた経験のある方もいるかもしれません。しかしながら、安心安全に器具を取り扱うために「ガラス器具表の面をコーティングする」という選択があるのをご存知でしょうか?今回はコーティングガラスの耐久面での特徴について、落下実験の動画も交えてご説明いたします。

 

【0:30】コーティングガラスとは?


ポリウレタンなどの高分子有機化合物をガラス表面にコーティングしたガラス器具は、外部からの物理的衝撃に対してある程度の耐性を獲得します。実験室の床に落として割れても、飛散を最小限に防ぐことができるのが特徴です。コーティング加工の都合上、見た目はやや白濁して透明性に欠けますが、性能上は特に問題ありません。

【1:00】コーティングしたメスフラスコvsコーティングされていないメスフラスコ

※画像をクリックすると動画が開きます。

コーティングによって、実際にどの程度の破損防止・飛散防止効果が得られるのか?言葉で説明するよりも、実際に動画をご覧いただいた方が早いでしょう。
動画内では、ガラス体積計のひとつであるメスフラスコを二つ用意しています。片方はコーティング済のメスフラスコで、もう片方はコーティングされていない通常のメスフラスコです。
この二つのメスフラスコに溶液を注ぎ入れます。それから、一般的な実験台での作業を想定して「地上高さ80cm」の位置から地面に向かって落下させ、衝突時の破損具合を比較します。

【1:35】コーティングしたねじ口びんvsコーティングされていないねじ口びん

※画像をクリックすると動画が開きます。

先ほどの落下実験ではメスフラスコを使用しましたが、それ以外のガラス器具にもコーティング加工を施すことは可能です。続いての場面では、コーティング済のねじ口びんと、コーティングされていないねじ口びんの二つを用意し、メスフラスコの時と同じ状況下で破損具合を比較しています。

【2:45】ホールピペットのコーティング

ホールピペット(またはメスピペット)は、慣れていない人が取り扱うと、怪我を負うリスクが高いと言われているガラス器具のひとつです。安全ピペッターを取り付ける際に、間違ったやり方で取り付けようとするとピペットが折れてしまい、勢い余って折れ口の部分が手に……そんな事例は山ほど存在します。
ですがここでも、あらかじめコーティング済のメスピペットを使っておけば、たとえ間違ったやり方で取り付けようとして折ってしまっても、折れ口が鋭利になることはなく、ガラスも飛散しないため、リスクを最大限軽減することができるのです。

まとめ

ガラス器具を「絶対に割らない」ように取り扱う方法は存在しません。しかし、限りなく安心安全に取り扱うために努力することは可能です。ガラス表面をコーティング加工するという技術は、安心安全にガラスを取り扱いたいという技術者・研究者の皆様の願いを叶えるために適した選択のひとつであると、本記事監修の柴田科学様は考えています