LINE公式アカウントから最新記事の情報を受け取ろう!
CONTENTS
酸素欠乏症とは、空気中の酸素濃度が18%未満の状態になり、必要とされる酸素を体内に取り込めないことにより生じる症状のことをいいます。
空気とは地球上の周囲を取巻く大気のことで、おもに地表近くの部分を占める混合気体です。
この混合気体は無色透明で、その成分は窒素約78.1%、酸素約20.9%、その他アルゴンや二酸化炭素など約1%で構成されています。
この酸素濃度が人間をはじめとする生物の生命を支えているのです。
人間は通常20.9%の酸素濃度下で生活しているため、酸素濃度が低下すると様々な症状が表れます。
およそ18%が安全限界(人体に悪影響が無い濃度限界)と言われていて、それを下回ると筋力の低下や意識喪失、最悪死亡することもあります。
特に脳は酸素消費量が多いので影響を受けやすく、酸欠事故は死亡災害に繋がりやすいのです。
ちなみに、労災事故の死傷者数は年間約12万人いて、死亡率は約1%。
労災事故のうち酸欠事故にフォーカスすると、年間約10人ほどで、死亡率は50%以上にもなります。
酸素濃度 | 主な症状など |
20.9% |
通常の空気の状態(自然酸素濃度)
|
18% |
安全範囲の最下限
危険範囲と紙一重の状態なので、作業環境内の連続換気・酸素濃度測定・安全帯等と呼吸用保護具の用意が必要 |
16%~12% |
脈拍・呼吸数増加、精神集中力低下、単純計算の間違い、精密作業性低下、筋力低下、頭痛、
耳鳴り、悪心、吐き気 動脈血中酸素飽和度 85~80%でチアノーゼが表れる。 |
14~9% |
判断力低下、不安定な精神状態、異常な疲労感、酩酊状態、頭痛、耳鳴り、吐き気、嘔吐、当時の記憶無し、傷の痛みを感じない、全身脱力、体温上昇、チアノーゼ、意識朦朧
階段やハシゴからの転落死や溺死の危険性 |
10%~6% |
吐き気、嘔吐、行動の自由を失う、危険を感じても動けず叫べない、虚脱、チアノーゼ、
幻覚、意識喪失、昏眠、中核神経障害、チェーンストーク型の呼吸出現※1、全身痙攣、 死の危機 |
6%以下 |
数回のあえぎ呼吸で失神・昏眠、呼吸停止、身体麻痺、心臓停止、6分で死亡
|
脳は人間にとって最も重要な臓器の内の一つであり、最も酸素を消費する臓器です。
脳は人間が取込む酸素量の約25%を消費するといわれています。
体重70kgの人の脳の重さは、約1.4kg(全体の2%)と言われているので、酸素を消費する臓器だということがわかります。
酸素が供給されない状態が続くと、大量に酸素を消費する脳に障害が出始めてしまうのです。
ではどれぐらいで蘇生措置を行えると良いのでしょうか。
下のグラフは呼吸停止時間と生存率の関係を表したもので、呼吸停止後、約3分で蘇生率は70%まで落ちてしまいます。
その状態で蘇生したとしても、脳へのダメージが大きいので後遺症が残る可能性は高くなります。
蘇生措置は、早ければ早いほど良いのです。
空気は目に見えなく、そして臭いもないので、酸欠状態になっているか判断ができないことが多々あります。
それに誰かが酸欠で倒れた場合、迅速に救命活動をしようとして駆け寄ってしまいがちです。
そして救助に入った人も酸素欠乏空気を吸ってしまい、酸欠で倒れてしまいます。
このようにして、二次災害が起こってしまうのです。
では事故を防ぐ手段はないのでしょうか。
酸素欠乏になりそうな場所では、検知器等を使用して酸素濃度を監視することが酸欠事故を防ぐ有効な手段の一つとなります。
小型酸素モニター OX-600シリーズ
ポータブルガスモニター GX-8000 TYPEシリーズ
ポータブル酸素モニター OX-08