純水・超純水装置のメンテナンスの重要性

2021.09.01

実験に欠かせない純水・超純水について、取り扱い上気を使うべき点や装置のメンテナンスについて解説した記事です。実験用水を扱うにあたり避けるべき行動、各消耗品を交換しないとどんな影響が現れるのか、消耗品はどのぐらいの頻度で交換すべきなのか等、日々の実験の見直しに是非お役立てください。

実験用水の取り扱い - 手が触れた水は使わない

純水・超純水を採水する際に手指が触れてしまうと、実験者の手指からの不純物の混入が生じてしまいます。
このような指からの汚染を防ぐ一手として、手袋の着用を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。しかし、ラテックス手袋を着用しても不純物の混入は避けることができません。
実験用水には手が触れないように徹底し、もし触れてしまった場合にはその水は使用せずに採水し直すようにしましょう。

超純水に指が触れたときの汚染例

超純水に指が触れたときの汚染例

実験用水の取り扱い - 雰囲気による汚染に気を配る

採水時に高いところから水を落としてしまうと、水が空気を含みながら落ちていきさらに泡立ってしまうため、多量の空気が混ざってしまうことになります。空気に多く触れることや空気が混ざってしまうことは、空気中の不純物が水に溶け込むことに繋がります。
採水の際には高いところから落とさず、容器の内壁につたわせるなどして空気を含ませないよう注意しましょう。

採水時の高さに注意

 

実験前の喫煙も水の汚染を引き起こす原因となります。喫煙者の呼気がかかった水と非喫煙者の呼気がかかった水とを比較した場合、喫煙者の呼気がかかった水の方が不純物が多く含まれることが分かっています。
実験を行う前の喫煙は避けるようにしましょう。

超純水に息を吹きかけたときの汚染例

 

実験室内の位置関係によっても水の汚染具合は変わってきます。入り口付近が最も汚染度が高く、中央、奥と進むにつれて不純物の混入は少なくなっていきます。入り口付近は人の出入りが多いため、より多くのゴミやチリが巻き上げられることが要因と考えられます。
純水・超純水を用いる実験は、入り口付近を避けて行うのが良いでしょう。

超純水の室内環境による汚染例

実験用水の取り扱い - 洗ビンは便利だけど…

お使いの方も多いであろう洗ビンやコック付きのポリタンクですが、実は水汚染の原因となっています。
ノズル先端への異物の付着・混入、ノズルからの空気の流入による不純物の溶解、容器本体からの溶出による汚染など、便利な洗ビンですが水を不純物にさらす機会が多くなってしまいます。
なるべく洗ビンの使用は避け、装置からの用時採水をしましょう。
どうしても洗ビンを使用する場合には、使用時に都度採水、使用後は水を捨てるようにし、洗瓶を定期的に洗浄することが必須です。

洗ビンの汚染要因

消耗品の紹介

○前処理カートリッジ
交換推奨頻度:6か月~1年
活性炭は塩素を取り除き、後に続くRO膜を保護する役割を担っています。消耗が進むと除去能力が低下、塩素に弱いRO膜に負荷がかかり、消耗を進めてしまいます。

○RO膜
交換推奨頻度:2~3年
RO膜は95~99%の無機物・有機物・微生物・微粒子を除去することができる優れものです。ただし、塩素に弱いため前述の活性炭による塩素除去が必須となります。
消耗が進むと不純物が多い水をタンクやイオン交換樹脂へ流すことになり、後のフローへの負荷が増加しますので注意が必要です。

○エアベントフィルター
交換推奨頻度:6か月~1年
エアベントフィルターは、実験室内の空気による汚染からタンク内の水を守る役割の消耗品です。
交換を怠ると、不純物の侵入を防ぐことができずタンク水の質が低下、その後のフローにあるイオン交換樹脂に負荷がかかってしまいます。
見落としがちなエアベントフィルターですが、定期交換は忘れずに行うようにしましょう。

○UVランプ
交換推奨頻度:1~1.5年(照度低下時)
UVランプは酸化分解・殺菌により、有機物の除去を担いますが、分解によって無機物が発生するため注意が必要です。
照度が低下すると有機物分解・殺菌が不十分になります。

○純水・超純水カートリッジ
純水・超純水カートリッジには主としてイオン交換樹脂が使われますが、この樹脂は無機物すなわちイオンを除去します。
微生物の繁殖や有機物の吸着などが起きやすいため、イオン交換樹脂を通す前にUV照射などにより無機物以外の不純物を取り除いておく必要があります。
消耗すると比抵抗値が低下し、超純水グレードの水が採水できなくなることに繋がります。

○最終(採水口)フィルター
採水口に装着するフィルターは、必要に応じ使い分けることで実験毎に必要な質の水を精製するのに必要とされます。(例:孔径によるパーティクルの除去、エンドトキシンの除去、など)消耗によって目的物質の除去能力が低下したり、使用状況によっては雰囲気による汚染を受け、水を汚染する原因となることもあります。
採水口フィルターからの水汚染を防ぐためには、まず採水口フィルターが汚れないよう、使用後は都度きちんとキャップを閉めること、
採水口フィルターの定期的な交換を怠らないことが重要です。
また、装置内で超純水精製が完結する装置を採用すれば、採水口にフィルターを付ける必要がなくなり、汚染の心配を1つ減らすことができます。

各消耗品の交換頻度

まとめ

いかがだったでしょうか?ぜひこの機会に、機械の使い方・運用を見直してみてはいかがでしょうか。
ご不明な点がございましたら、アズワン株式会社までご連絡ください。

以下リンクより、アズワン株式会社が運営するECサイト「AXEL」にて
取り扱いの超純水精製装置を検索することができます。
記事とあわせて選定の参考にしていただければ幸いです。