温度制御-オートチューニング

2021.07.29

最適PID定数

PID制御を行う場合、比例帯・積分時間・微分時間が適当でないと不安定となり、ハンチングを起こしたり、修正が遅すぎて、外乱の結果 生じた偏差が回復するのに長時間かかったりします。 最適なPID定数を求める方法としてステップ応答法、限界感度法等があります。

 

ステップ応答法

ステップ応答法で求める方法について右図で説明します。まず、目標温度設定値を制御対象の最もよく使用される値に選び設定しておきます。
(1)操作量100%をステップ状に印加し、目標温度設定値になるまで測定を続け、その間の最大温度傾斜Rを算出します。
(2)目標温度になれば操作量をゼロにし、温度が降下するまでの時間を逆ステップによる むだ時間Lとして計測し、RとLより最適PID定数を算出します。

 

限界感度法

ステップ応答法で得られたPID定数による制御結果が十分でない場合、設定値付近で再度チューニングし、更に最適なPID定数を算出する方法です。
限界感度法スタート(A点)でP(比例)制御に入り、振動が発生するまで比例帯を狭くし、この時の比例帯Pcと振動周期TcよりPID定数を算出します。

 

オートチューニング使用上の注意事項

ステップ応答法でオートチューニングを行う場合は、スタート時の温度が高すぎると チューニングを開始しない事があります。それらの条件については、各機種で異なりますので個別 の項目でご確認ください。

  • 各チューニング法の搭載状況は以下の表のようになっています(○…搭載 ×…非搭載)。
ステップ応答法 限界感度法
形E5K ** ×
形E5KN
形E5P
形E5T
形E5M ×
形E5ZC ○ ** ×
サーマック ○ * ×

* 最大温度傾斜Rのみ測定し、ムダ時間Lは測定していません。
**PID定数の自動読込みはしません。

PID定数の再調整

ステップ応答法によって測定されたPID定数は、25%減衰を最適とする調整法であり、最適調整法の最大公約数を取っております。したがってほとんどの場合、測定されたPID定数で問題はありません。しかし用途によっては、測定されたPID定数では不満が生じる場合もあります。その時は以下の例を参考にしてPIDの再調整が必要です。

  • 安定になるまで多少の時間(整定時間)を要しても問題はないが、オーバーシュートが生じては困る場合は比例帯を大きくします。

  • オーバーシュートは問題としてませんが、早く安定な制御状態になってほしい場合は比例帯を小さくします。ただし、比例帯をあまり小さくするとハンチングが生じます。

  • ゆるやかなハンチングが生じる場合や、オーバーシュート・アンダーシュートを繰り返して収束する場合は積分動作が強すぎることが多く、したがって積分時間を大きくするか、 比例帯を大きくするとハンチングは小さくなります。

  • 短い周期でハンチングが生じる場合は、制御系の応答が早く、微分動作が強すぎる場合が考えられます。このときは、Dを小さく設定します。

 

 

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