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バイオ系研究所で働くテクニシャン(技術員)でありながら漫画家として活躍するAyaneアヤネさんによる「ラボりだな日々」7回目。
(※ラボりだ…ラボから離脱すること。ラボから帰ることの意を持つ造語)
今回のテーマは、作者のアヤネさんが苦手なことに関するマンガです。
こんにちは!
ラボりだな日々、第7回は「マスクをしていると誰が誰だか全部リセットされる・・」というマンガでした。それに合わせて、コラムのテーマは「働く際に出現する意外な困難!」です。
研究室での仕事に限らず、仕事をする際、どうしても解決しないと困る!仕事ができない!というような大きな問題にはならないけれど、できなくて地味に困っている悩みってありませんか?
得意不得意など個人差が大きな部分ではありますが、今回は労働している時、普段は忘れているけれど、ふとした瞬間に出現する意外な困難についてお話していきたいと思います。
まず1つ目は「人の顏と名前が覚えるのが大変!」です!
この問題は個人差が本当に大きいので一般的な困難!とはとても言い切れないのですが、漫画のテーマに選ぶほどには私は困っています。コミュニケーションをとりつつ、時間をかけて覚えてしまえば、普段はあまり気にならない話なのですが、「初対面」「新しい職場」など、緊張する初めての場面で猛威を奮います…。
ただでさえ業務を覚えるのでいっぱいいっぱいなところに、ふと目の前にいる先輩に呼びかけようとして気づくのです…「小一時間目の前で指導していただいているこの先輩の名前が…すぐにでてこない…」と。
メモをしたり、名札を見たりといろいろと対策はあるのですが、「名前を呼びかける」という瞬発力が必要な行動にいつも敗北しています(先輩方、最初は本当にすみません)。
漫画で描いたような動物飼育室などの特徴がほぼなくなってしまうような状況も天敵で、非常に混乱します。防塵服を着て、顔を覆ってしまうと、さっきまで覚えていたほぼすべての手がかりが"マスクされて"しまいます。そのうちに慣れて、少ない情報から特徴を見出すようになるのですが、恐ろしいことに普段、飼育室でしか遭遇しない人と外で会うと、今度は情報が増えてしまって、またわからなくなるのです…
2つ目は「場所が覚えるのが大変!」です。
研究所は同じようなドアがついた、似たような部屋が規則的に続く空間がたくさんあり、場所を覚えるのが最初は結構大変だったりします…(もちろん、こちらも施設によりますが)。
普通の実験室などでは「迷ってしまって困る!」で済むのですが、バイオセーフティーレベルが定められている実験室や動物飼育室においては少し話が変わってきます。
バイオセーフティーレベルとは、細菌・ウイルスなどの微生物・病原体などを取り扱う実験室や施設のレベル付け(1~4)であり、数字があがっていくにつれ、取り扱うサンプルの危険度も上がっていきます。つまり、「特定の実験についてはできる場所は決まっている」ということなのです。レベルによっては実験者自身の装備が整っていないと入室できない部屋もあり、うっかりで思わぬ事故を引き起こさない様にしなければなりません。
動物飼育室も飼育動物がいるクリーンルームと使用した飼育ケージなどを洗浄に出すための汚れものが通るダーティールームが分けられている場合があり、飼育動物への影響を考慮して2つの部屋を行き来することはできないなど、「一度入ると戻れない場所」があったりするので注意が必要です。
今回は「働く際に出現する意外な困難!」についてお話しさせていただきました。研究関係のお仕事に限らないテーマだと思うので、いつもより共感いただけた方も多いかも??と思いつつ、「そんなのが苦手なの?」と思っている方もいるので、ちょっと恥ずかしいですね・・!
こういうところから何か改善の糸口がみつかったりすると思いますので、みなさんの「意外な困難」をよかったら、私にも教えてくださいね!