【90%以上の人が説明できない】プラスチックが環境に悪い本当の理由とは?|市岡元気先生の"舞台裏"

2024.06.26

みなさんこんにちは!市岡元気です⌬

今月は環境月間ということで、僕たちの日常生活に欠かせないプラスチックについて一緒に考えてみましょう!

みなさんはプラスチックが環境に悪いというイメージを持っていませんか?

そんなイメージを持っている方はなぜ環境に悪いのか説明できますか?僕はしっかりと説明することはできませんでした。みなさんもお父さんやお母さんに聞いてみてください。大人の方でもしっかり説明できる人は少ないと思います。

本当にプラスチックは地球環境にとって悪者なのでしょうか?今回は身近にあるプラスチック製品が環境にどのような影響を与えているのか、一緒に考えてみましょう!

身近なプラスチック製品

まずは、僕たちの周りにあるプラスチック製品を見てみましょう。

レジ袋、ストロー、プラカップ、ペットボトル、消しゴム、注射器、そして牛乳パック。驚くことに、僕が着ている白衣や服にもプラスチックが使われています。

プラスチックは、僕たちの生活に深く浸透しているのです。

プラスチックの種類と性質

次に、プラスチックの種類とその性質について見ていきましょう。プラスチックと一言でいっても1種類ではなくたくさんの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。

まずは水に浮かぶかどうか簡単な実験で確かめてみましょう。

浮くもの

ポリプロピレン(PP):ペットボトルキャップ、パン袋、注射器の本体など

低密度ポリエチレン(PE):マヨネーズの容器、農業用の黒マルチなど

高密度ポリエチレン(PE):スーパーのレジ袋、ごみ袋など

アクロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS):キャリーケース、おもちゃのブロックなど

 

沈むもの

ポリスチレン(PS):発泡スチロールの材料、使い捨てプラスチックコップなど

ポリエチレンテフタレート(PET):ペットボトルの容器、衣服など

ポリ塩化ビニル(硬質PVC):配管等の塩ビパイプなど

ポリ塩化ビニル(軟質PVC):農業等で用いるビニールハウスなど

アクリル樹脂(PMMA):航空機の窓、水族館の水槽など

ポリカーボネート(PC):CD、ヘルメット、高速道路の防音壁など

ポリウレタン(PU):合成皮革のコート、ジャージ、水着など

ポリアセタール樹脂(POM):樹脂製ジッパー、ドアハンドルなど

 

プラスチックの原材料

次に、プラスチックが何からできていると思いますか?ここでクイズです!

「プラスチックは何からできているでしょう?」


A:植物
B:石油
C:牛乳

正解は...

B:石油から作られています。

 

石油は限りある資源であり、いつかは無くなってしまいます

ですから、プラスチックのリサイクルが非常に重要なのです。

プラスチックが環境に与える影響

プラスチックが環境に与える影響についても考えてみましょう。

クイズ:「もし人間や動物がプラスチックを食べたらどうなるでしょう?」
A:消化されて栄養になる
B:消化できない

正解はB:消化できない

そうなんです、人間や動物はプラスチックを消化できません。

いつの間にか土の上の葉っぱやお花が無くなっているのは、土の中の微生物が食べて消化しているからです。一方、微生物が消化できないプラスチックはいつまでも消えずに残り続けます。

 

海洋には毎年約800万トンものプラスチックが放出されています。これが続くと、海はプラスチックごみで溢れてしまいます。

 

また、マイクロプラスチックと呼ばれる小さなプラスチック片は、海洋生物によって誤食され、消化器官に詰まることで深刻な問題を引き起こします。

このままでは2050年の海は、魚よりもごみの量が多くなると言われるほど問題は深刻化しています。

それなら「海にゴミを捨てなければ良いのでは?」と思いませんか......?

衣類のプラスチックとその影響

実は初めに伝えたように衣類にもプラスチックが使われています

ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリウレタンなどの素材が使われており、洗濯することで微細なプラスチックが排水として流れ出てしまいます。

この微細なプラスチックも海洋汚染の原因の一つです。とはいえ、自然素材の綿も水を大量に使うなど環境問題となっており、全てを自然素材にすることは難しいです。

持続可能な未来へ向けて

プラスチックは現代社会にとって必要不可欠ですが、その便利さの裏には環境問題が潜んでいます。

全てのプラスチックをなくすことは不可能ですが、使用する量を減らしたり、リサイクルを進めることで、環境への影響を減らすことができます。

また微生物から作る生分解性プラスチックというものの開発も進められています。そんなプラスチックが広く使われるようになれば、石油が枯渇しても作ることができますし、海に流れても生物由来のプラスチックなので分解されます。

僕は3月1日から東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員となったので取材に行ってきました!生分解性プラスチックの研究について興味を持った方はこちらの動画をご覧ください。↓

まとめ

プラスチックは石油という限りある資源から作られるので、リサイクルしないといつかは無くなる

プラスチックはきちんと分別すれば海洋に流れにくいので、分別が大切。ポイ捨てしない。

「農業」「漁業」「釣り糸」「衣服の繊維」など海洋に流れることを防げないものもある。そのようなものは、海洋に流れ出ても分解できる生分解性プラスチックに変えていく方法もある。

 

最後に

プラスチック使用を減らすために、自分だけのオリジナルマイボトルを作ってみませんか?毎日飲む物、雑菌の発生しにくいもの、例えばお茶やお水であればペットボトルはいらないはずです。イオンモールでは「MYボトルデザインコンテスト」も開催中です。一人ひとりの小さな行動が、地球環境を守る大きな一歩になります。ぜひオリジナルの科学のマイボトル作ってみてください!

詳細はこちら

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市岡 元気

2019年、YouTubeチャンネル「GENKI LABO」を本格始動。現在登録者数30万人超。同年、株式会社GENKI LABO設立と同時にCEOに就任。数々のサイエンスライブ、実験教室を全国各地で開催。

【主な活動場所】 Twitterはこちら  youtubeはこちら ご依頼は[email protected]まで。

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