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バイオ系研究所で働くテクニシャン(技術員)でありながら漫画家として活躍するAyaneさんによる「ラボりだな日々」(※ラボりだ…ラボから離脱すること。ラボから帰ることの意を持つ造語)
こんにちは!
ラボりだな日々、第5回のテーマは「研究室の整理整頓 -残された謎の不用品たちとの闘い- 」です。
大掃除というと12月の年末に行うことが多いと思いますが、研究室の大掃除は3月と4月の年度の変わり目にも行われることが多いです。年度終わり、年度始まりは人が移動(異動)する時期であり、物も一緒に動くため、「これを機にちょっと整理整頓しとくか」となるわけです。
特に研究室に長いこと勤務されていた方が動くときは「このスペースにこんな量が!?」と驚くレベルの荷物で廊下が溢れかえります。そして、年度の切り替わりで嵐のように人が過ぎ去った後、なぜか物「だけ」が残されていることがあり、こういう物が「捨てていいのか悪いのかわからない謎の不用品」に変貌していきます。
実験室は多くの人が共通で使う場所であり、物が乱雑に置かれていたりすると思わぬ事故に繋がったりするので、「整理整頓」は基本です。ゴチャゴチャした部屋で作業をしていたら物につまずいて転倒し、骨折してしまった…というような事例もきいたことがあります。
ただ、共通の場所であるがゆえに「自分の判断で何かを捨てる」ということが意外と難しいのです。研究室の整理整頓ルールに反しているものは捨てていいとなっていても、「他人が実験に使用していたであろう物」はものすごく捨てづらい!なぜなら、そういう状況に陥る物はたいてい要不要を判断する「情報」も失ってしまっているからです…
漫画に出てくる「いつからあるかわからない試薬」などはその代表例で、使用期限が長く、研究室で使う人が少ない珍しい試薬だったりすると、「購入者としてメインで使用していた○○さんは異動してしまったけど、今後使う人が出てくるかもしれないし」となり、研究いつの片隅に残り続けるというルートへ…そして、その試薬があるという記憶自体を持つ人がいなくなると「自分は古くて使用したくないけど、誰が使っているかわからないから捨てられない不用品」が生まれるのです。
この漫画を読んで「なぜこんなことが起こるかわからない。ちゃんとしていれば大丈夫でしょう?」と思う方々も少なからずいらっしゃるでしょう。そして、同時に「あるある!わかる!」となる方もわりといらっしゃるのではないかと思っています。(私は後者です…)
こういう状況に陥らないために、自分が購入したものは責任をもって捨てるか、持っていくかし、それができない場合はせめてデータなり書面なりで「情報」を「今後研究室へ残る人たちが判断できる状態」で残すことがとても大切です!
「面倒くさいから後にしよう」の積み重ねから脱却していきましょう。