有機物とは?無機物とは?その見分け方って?

2023.11.17

私たちの身の回りには、さまざまな物質が存在します。

化学において重要なことの一つは、物質それぞれの性質を理解することです。

そこで、物質を性質によって分類するための用語が存在します。

今回、この記事で取り上げる中学一年生の理科で勉強する「有機物」と「無機物」も、物質の分類のために使われる用語です。

世の中の物質は、すべて有機物か無機物かに分類することができます。

有機物と無機物の意味を理解して、物質がどちらに分類されるか判断できるようになりましょう!

この記事では、かっこの中に物質の化学式を記載しています。

中学二年生の理科の化学分野で化学式を勉強した後に、有機物と無機物を改めて勉強すると、より学びを深められますよ。

ぜひこの記事を復習にも役立ててくださいね。

有機物とは

まずは有機物について学習しましょう。

有機物とは、基本的には炭素(C)を含む化合物で、有機化合物とも言われます。

有機物の例としては、砂糖や片栗粉、アルコール、プラスチック、木、紙、洋服の繊維、ロウなどが挙げられます。

有機物は燃やすと黒く焦げて炭になり、二酸化炭素が発生する性質があります。

キャンプファイヤーなどで有機物である木を燃やす様子を思い浮かべると、わかりやすいのではないでしょうか。

木材に火をつけると、最後には黒く焦げて炭になりますよね。

また、べっこうあめやカラメルをつくろうとして砂糖を加熱すると、段々と色づいていきますね。加熱を続けると、最終的には真っ黒に焦げてしまいます。

砂糖の主な成分であるショ糖の化学式はC12H22O11で、「炭素(C)を含む」という有機物の定義にきちんと当てはまります。

このように、有機物は基本的には炭素(C)を含む物質と考えればいいのですが、燃やすと黒く焦げ二酸化炭素を発生させるという性質も理解しておきましょう。

ほかに有機物の例として、何が挙げられるでしょうか。

炭素(C)を含む物質が有機物なら、炭素そのもの(C)や一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)も有機物では、と考えた方もいるかもしれません。

ですが、これらの物質は有機物ではありません。

これらは確かに炭素(C)を含んでいますが、燃やすと黒く焦げ二酸化炭素を発生させるという有機物の性質に当てはまりません。

また、有機物の「有機」には「生命を有すること」という意味があり、もともと有機物は「生物がつくりだす化学物質」と定義されていました。

たとえば、有機物である砂糖は、サトウキビやテンサイといった命ある植物からつくられていますよね。

現在は化学の発展により植物などの生命を利用しなくても多くの有機物を作り出せますが、歴史の名残りもあり、生物に由来しない炭素そのもの(C)や一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)は有機物ではないとみなされています。

ですので、炭素(C)や一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)は炭素を含んではいるものの、無機物に分類されます。

間違えやすいポイントなので、注意してくださいね。

無機物とは

次に無機物について学習しましょう。

無機物とは、炭素(C)を含まない物質です。

つまり、有機物でない物質はすべて無機物に分類されます。

有機物とは異なり、加熱しても二酸化炭素が発生しません。

無機物の例としては、鉄(Fe)やアルミニウム(Al)などの金属、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)などの酸化物、炭素(C)や硫黄(S)などの単体、水(H2O)、食塩などが挙げられます。

上の「有機物とは」の欄でもご説明しましたが、炭素(C)や一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)は炭素(C)を含んではいるものの、無機物に分類されます。

間違えやすいポイントで、テストでもよく問われるので、しっかり覚えておきましょう。

有機物と無機物の見分け方

有機物と無機物の特徴を以下の表にまとめました。

有機物

無機物

・炭素(C)を含む化合物

・加熱すると黒く焦げて炭になり、二酸化炭素が発生

・砂糖や片栗粉、アルコール、プラスチック、木、紙など

・炭素(C)を含まない物質

・有機物以外のすべての物質

・加熱しても二酸化炭素が発生しない

・金属や水など

・炭素(C)や一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)は無機物

有機物と無機物のそれぞれの特徴をおさえて、見分けがつけられるようにしましょう。

また、有機物と無機物の違いを理解していると、物質の見分けに役立つことがあります。

たとえば、目の前に白い粉末状の似たような見た目をしている物質があるとします。片方が砂糖で、もう片方が食塩です。どちらが砂糖か食塩か、見分けられますか?

砂糖と食塩なら口にして味で判別できるのでは、と思われるかもしれませんが、今回は化学的な見分け方をしてみましょう。

砂糖は有機物で、食塩は無機物であることをヒントに、上の表を参考にして見分ける方法を考えてみてください。

答えは、それぞれの物質を加熱することです。

砂糖は有機物なので加熱すると黒く焦げるのに対して、無機物である食塩は変化しません。

このように、有機物と無機物を知っていると、物質の見分けをするときに役に立つことがあります。

まとめ

この記事では、有機物と無機物について解説しました。

もう一度おさらいをしておくと、主に有機物とは炭素(C)を含む化合物で、無機物は無機物とは炭素(C)を含まない物質です。

炭素を含むか含まないかによってすべての物質を分類するのは、なぜなのか不思議に思う方もいるかもしれません。

高校で化学や生物を勉強するとより深く理解できますが、実は炭素(C)はさまざまな複雑な物質をつくることのできる大変重要な元素です。

上で「有機」とは「生命を有すること」という意味があるとご説明しましたが、その名の通り炭素(C)を含む有機物は、複雑な生命活動に深く関わっている物質が多いです。

たとえば、生きていく上で大切な栄養素であるでんぷんや脂肪、たんぱく質も有機物です。

この記事よりも少し難しい内容にはなりますが、「単体の炭素を生成する生物を初めて発見!」という記事では、炭素(C)についてわかりやすく解説し、面白いニュースを紹介しているので、興味のある方は読んでみてくださいね。

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