ウシマンボウ博士が話題のソフトシェルクラブバーガーを食べてみた!

2023.09.19

 「ソフトシェルクラブ」という食材をご存じだろうか? ソフトシェルクラブは、直訳すると、「柔らかい殻のカニ」となる。実際の食材もその直訳と同じで、丸ごと食べられる殻が柔らかいカニのことを指す。脱皮したてのカニを使用しているので、殻が柔らかいのだ。

 

 そんなソフトシェルクラブを丸ごと使ったハンバーガーがあると聞いて、実際に食べてきた。今回はその食レポをお伝えしたい。

 

ちなみに案件でもなんでもないので、本当に率直な感想となっている。

 

 

ドムドムハンバーガーの「丸ごと!!カニバーガー」

 ドムドムハンバーガーは日本で最初のハンバーガーチェーンであり、2023年9月現在、全国で27店舗しかない結構レアなハンバーガー屋である。(マスコットキャラの赤いゾウのどむぞうくんは知っている方も多いのではないだろうか?)

 

 ドムドムハンバーガーでは、2019年10月から「丸ごと!!カニバーガー」というソフトシェルクラブをまるっと一匹使ったバーガーを期間限定で販売してきた。インパクトが強いそのビジュアルから当時大きな反響があったようだ。その後も、何回か期間限定で再販売し、そのたびに大きな話題を呼んできた。

 

 私も食べたことない食材だったので、非常に気になっていたのだが、身近に店舗がなかったため、今まで食べ損ねていた。しかし、2023年9月16日からまた再販売が始まると知り、今度こそは食べてやる!と思い立ち、この度再販売開始当日に購入して食べてみたというわけだ。

 

 

ドムドムハンバーガーのためだけに大阪へ

 カニと言えば、甲羅は硬くて食べられないのが普通である。しかし、ソフトシェルクラブは甲羅も柔らかいので丸ごとバーガーとして食べられるという。食感や味が非常に気になる。早速、ドムドムハンバーガーのホームページで、私の住む奈良県に店舗はないか検索してみたところ……現在の奈良県には存在しなかった。一番近い店舗を検索すると、電車で1時間以上かけて大阪まで行かなければならないことが判明した。大阪でも3店舗しかない。

 

 そして、世の中が阪神優勝ムードで活気付く中、私はドムドムハンバーガーを食べるためだけに大阪に向かった。こちらが吹田のドムドムハンバーガーの店舗だ。


 
 人が並んでいたらどうしようと覚悟していたが、まだ11時頃だったためか、スムーズに購入することができた。並んでいた時、前の人も同じものを注文していたので、やはりソフトシェルクラブを狙っていた人はいたようだ。後でドムドムハンバーガー公式のツイートを見てみると、当日分が売り切れていたところもあったようだ。買えてよかった。

 

 私は「丸ごと!!カニバーガー」のガーリックバターソース味の方を頼んだ。1,190円(税込)と決して安くはない。他のドムドムハンバーガー商品の値段と比較すると、約三倍の値段だった。さすが高級食材とホームページに書かれているだけはある。私はテイクアウトし、家でじっくり観察しながら食べることにした。

 

観察と実食

 こちらがその商品である。どむぞうくんの旗もちゃんと付いて来ていた。

 

 カバンに入れていたため、少しぺちゃんこになっているが、カニの脚がはみ出ている。バーガー自体は、私の手のひらと同じくらいのサイズだったので、普通のバーガーくらいの大きさだ。

 

 上のパンを取ってみた。こちらもカバンの中に入れていた影響でぺたんとなっているが、カニが一匹バーガーの中に乗っているのが分かる。バーガーの半分くらいを占めているが、思っていたよりは小さい。

 

 せっかくなので、公式ホームページにあるように、旗を立ててみる。ガーリックバターソース味とスイートチリソース味では旗の色も違うようだ。

 

 脚を広げて見る。ハサミも合わせて4対あった。

 

 甲羅の部分を上げてみる。鰓もそのままだ! カニみそまで食べられるという公式ホームページの謳い文句も正しい。

 

 ドキドキしながら早速食べてみると、本当に殻の部分も食べられる。シャキシャキした不思議な食感。全然硬くない。バーガー自体はすっかり冷えていたが、カニの味が全然するし、普通に美味しい。温かいうちに食べたらもっと美味しかったに違いない。胴体の部分ではちゃんとカニみその味もした。これは結構美味いぞ!! 

 

 唯一、『カニが丸ごと一匹入っている』という先入観から巨大なハンバーガーを予想していたため、特別大きい訳ではなく、普通のハンバーガー1個分の満足感だった事に物足りなさは感じた。とはいえ、小食の方であればこの点は気にならないだろうし、事前にわかっていればセットで頼めばよいレベルの話だ。

 

 

カニの種が気になる

 さて、このドムドムハンバーガーのソフトシェルクラブ、個人的にはカニ類の何の種なのか気になる。調べてみると、ソフトシェルクラブとして使われるカニの種類は複数種あるようで、特定の種を指すものではないようだ。

 

 ソフトシェルクラブは海外の様々な地域で食されており、その中でも特にメジャーなのは、アメリカで夏に食べられるワタリガニ科のアオガニ(アオガザミ)Callinectes sapidus なので、これが使われている可能性があるが、私はカニ類に詳しくなく、またドムドムハンバーガーに使われているカニの種を特定した人もいないようなので、正確には不明である。一番後ろの脚がボートのオールのような形状をしていたので、ワタリガニ科の1種ではあると思われるが、カニ類の分類に詳しい人の見解を待ちたい。

 

 カニ類は通常ハサミも含めて脚は5対あるはずだが、私が食べたものは4対だった。もしかしたら特殊なカニなのか?と一瞬思ったが、ドムドムハンバーガーの過去のツイートにあるソフトシェルクラブの写真はちゃんと5対だった。どうもカニは揚げたりする時に、ハサミや脚がよく脱落してしまう自割作用が起きるようだ。だから1本少なかったのかと納得できた。

 

 

 ちょっとリッチなカニバーガー、人生で一度は食べてみる価値はありである! ちなみに今回の再販売期間は期間限定としながらも、販売終了の日付が書かれていない……在庫がなくなったら即終了の可能性もあるので、気になった方はドムドムハンバーガーに急げ!

 

今日の一首

 老舗店
  ドムドムバーガー
   変わり種
    ソフトシェルクラブ
     シャキシャキ美味い

【著者情報】澤井 悦郎

海とくらしの史料館の「特任マンボウ研究員」である牛マンボウ博士。この連載は、マンボウ類だけを研究し続けていつまで生きられるかを問うた男の、マンボウへの愛を綴る科学エッセイである。

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参考文献

大森信.2021.エビとカニの博物誌―世界の切手になった甲殻類.築地書館,208pp.

今井祥子.2022.高級日本食レストラン Nobuのネットワーク形成と真正性の構築.東京農大農学集報,67(3): 100-110.