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中学3年生の数学では、因数分解や二次方程式など、これまでよりも難易度の高い問題に触れることになります。それらの中で重要な考え方に「平方根」「ルート」というものがあります。この記事では、平方根・ルートについて分かりやすく解説していますので、ぜひ参考に、基礎力を鍛えてみてください。
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「2乗すると、ある数Xになる数字」を、Xの平方根といいます。
例えば、2乗すると9になる数は、3と-3ですので、「3は9の平方根」「-3は9の平方根」と表現します。
ここで、「3は9の平方根である」という情報を数式として表現するときに使われる記号が、根号(ルート)です。
と表現し、「ルート9イコール3」のように読みます。
ここで気を付けたいのが、平方根と根号の違いです。
「平方根」と言われた場合には負の数も含みますが、根号で表記されている場合は正の数のみを表します。
例えば、「16の平方根は?」と聞かれた場合には、「4と-4」が答えとなりますが、と表記された場合には「4」のみが答えです。
さらに、平方根やルートには、一般的な整数や分数として表現できないものもあります。
例えば、を考えてみましょう。
1を2乗した数は1、2を2乗した数は4です。そのため、2乗して2になる数は1から2までのいくつか、ということが予想できます。
さらに、1.5を2乗した数は2.25となるため、2乗して2になる数は、1から1.5までの数字になりそうだと予想できるでしょう。
実際に電卓などを使って計算してみると、その数は1.4142…と無限に続いていくことが分かります。
このように、根号を使うことで、整数や分数で表せない数も表現できるようになります。
こうした、整数や分数では表現できない数を無理数と呼びます。
また、を考えてみてください。
-1を2乗すると1、0を2乗すると0、1を2乗すると1となります。
このように、2乗してマイナスになる数は、実数範囲には存在しません。
これは高校数学で「虚数」として扱うことになる新しい概念の数字ですが、中学数学の間は、「解なし」や「答えが存在しない」として問題ありません。
複雑そうに感じるかもしれませんが、慣れればそれほど難しい考え方ではありません。
何度も丁寧に復習して、ルートの考え方をマスターしていきましょう。
平方根の計算における基本的な考え方は、次の5つを覚えておけばOKです。
これは、根号の定義でもあるものなので、説明は省略します。
ルートの中で素因数分解ができる場合、素因数同士のルートの掛け算に分解することができます。
もちろん、複数のルート同士の掛け算をひとつの根号にまとめることもできます。
また、割り算の場合は、逆数の掛け算なので、同じ考え方で分解・計算ができます。
具体的には、下の計算式のように考えられる、ということです。
足し算・引き算は、根号の中が同じときにのみ可能です。
文字式の計算でx同士は係数が違っても足し引き出来たのと同じと考えれば、分かりやすいでしょう。
根号の中が違う場合は、足し引き出来ません。
これも文字式のときに、xとyをそのまま足したり引いたりできなかったのと同じ、と考えれば分かりやすいです。
・有理化
分母にルートを含んだ計算の場合、分母と分子に同じ無理数をかけて計算しやすくする方法を有理化といいます。
単純な計算問題で「有理化しなさい」と問われることもある内容ですので、やり方は覚えてきましょう。
根号のある計算は、この5つの原則を守っていれば、簡単に解くことができます。
一見難しそうに見える問題でも、必ずこのいずれかの方法で計算を進められますので、慌てずに解決の糸口を探しましょう。
平方根の計算を簡単にする覚え方として、「2乗の数」をある程度頭の中に入れてしまう、というのがあります。
までは九九で覚えていると思いますので、11~20の2乗数について、以下の通りまとめておきます。
特に素数(11、13、17、19…)の2乗数は見覚えがないと「素数かもしれない」と思ってしまいがちですので、できれば記憶しておくことをおすすめします。
また、平方根の近似値も、計算の役に立つことがあります。
平方根の中には、先ほど説明したように『無理数』というものがあります。
これらの値は小数点以下に無限に続いていきますが、ある程度のところまでを覚えておくと、大小比較の時に計算しやすくなることがあります。
一夜一夜に人見ごろ(ひとよひとよにひとみごろ)
人並みにおごれや(ひとなみにおごれや)
富士山麓オウム鳴く(ふじさんろくおーむなく)
いずれも、小数点以下3位まで覚えておけば、かなり近い値になります。
余力があれば、こちらもぜひ覚えてみてください。
では、実際のテストで問われやすい平方根・ルートの付いた計算問題を、いくつか例題として提示します。
(例題1)
25の平方根を答えなさい。
(解答1)
この形式の問題は、中学数学の平方根分野における定期テストで、ほぼ確実に聞かれる問題ですので、警戒しておきましょう。
ルートの計算に慣れていると、つい「5」と答えてしまいそうですが、それでは間違いです。
「平方根は?」と聞かれた場合は「±5」と答える必要があります。
(例題2)
次の根号を外しなさい。
(解答2)
例題2のように、ルートのついた数式の形で「根号を外せ」と言われたら、正の値のみを答えます。
よって、答えは「5」です。
(例題3)
次の式を簡単にしなさい。
(解答3)
平方根の問題における「式を簡単にしなさい」というのは、「平方根の中に、部分的にルートを外せる数字があるので、ルートの中の数字が最小になるように計算しなさい」という意味です。
よって、答えはです。
(例題4)
次の式を計算しなさい。
(解答4)
計算の数が多くなったとしても、焦らずに、順番に計算を進めていきましょう。
まずは、それぞれのルートの中を簡単にしていきます。
続いて、四則演算の順番にのっとって、掛け算・割り算の処理を行います。
最後に、足し算・引き算が可能なものを処理していきましょう。
平方根の付いた数と整数では計算不可能なので、これが最小の形となります。
平方根の付いた計算は、慣れないうちは難しく感じるかもしれません。
しかし、中学数学での平方根の問題は、計算自体は簡単です。
落ち着いて、間違いのないように計算を進めていきましょう。
平方根は、中学数学だけではなく、高校・大学の数学でも多く出てきます。
ここでしっかりと基礎をおさえておくように心がけましょう。
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