子どもたちが宇宙に夢中!「はまぎん こども宇宙科学館」がすごい

2023.04.29

皆さん、こんにちは。サイエンスコミュニケーターの佐伯恵太です。科学と社会をつなぐため、日々奮闘しております!

以前、「親子で科学を楽しめる!『体感型』スポット3選!+α」という記事を公開しましたが、まだまだ素敵な場所がたくさんあります!

というわけで今回は、子どもが宇宙に夢中になる!「はまぎん こども宇宙科学館」についてご紹介したいと思います。

科学館前にて(筆者撮影)

宇宙を「感じる」体感型展示!

「はまぎん こども宇宙科学館」は、館全体が巨大な宇宙船をイメージした「体験型科学館」です。中へ入ると、ワクワクが止まらない素敵なエントランスが待ち構えています!

と、ここで思わぬ誤算が。平日なので比較的空いているという予想でしたが、そこは子どもたちの大熱狂空間!!訪れたのは3月末。春休みだったのです(そんなわけでうまく写真が撮れず、公式画像を中心にお届けします)。

エントランス(画像提供:はまぎん こども宇宙科学館)

 

ちなみに、科学館のホームページでは、混雑状況についてリアルタイムで知ることができます。事前に確認しておけばよかった......。

宇宙と地球を比べてみよう!

宇宙について知り、宇宙を想像するための手がかりになるのが、そう、地球です。「宇宙の広がりをさぐろう!」という展示室の中に、こんな展示が。

引力の違いを体感(筆者撮影)

 

地球と太陽系の惑星の引力を比較するコーナーです。

火星の引力は、地球の0.38倍。ズラリと並ぶおもりを持ち上げながら、その違いを体感できます。

「ほうほう、火星に住んだらこういう感じなのか〜」と想像しながら持ち上げてみました。ちなみに太陽の引力は地球の28.01倍!軽い気持ちで持ち上げようとしたら、びくともしませんでした。。

そしてこちらは、生命のバランスに関する展示です。水槽のふたをしめても、水槽内の生命のバランスが保たれるようにできています。我々が暮らす地球全体もこのカプセルと同じように、閉ざされた空間の中で、いろいろな生き物がバランスを保って生存しています。

生命のバランス(筆者撮影)

 

3月末に訪れた時点で、蓋をしめてから581日が経過した状態でしたが、水草は生き生きとしていて、エビなども元気に動き回っていました。現在こちらの展示は撤去されているのですが、駆け込みで見ることができてよかったです。

生物多様性について考える上で、生物が住みやすい環境を作ることが重要と言われ、最近では「放流しても魚は増えない」という論文(※1)も話題になりましたが、目の前のカプセルを眺めながら、そんなことを思い出しました。地球全体でも、良い環境、良いバランスを維持していきたいですね。

ガラリと内容変わりまして、こちらは30cmの雷を発生させる装置です。

放電ショウ(筆者撮影)

 

上下についた電極の間に23万Vの電圧がかかり、雷が発生するというもの。光るのはほんの一瞬でしたが、しっかりとその姿を捉えることができました!

光った瞬間(筆者撮影)

 

実はこれ、スマートフォンで撮影した動画のスクリーンショットなのですが、1フレーム分(30fpsで撮影したので0.033秒以下)しか光っていませんでした。写真で撮ることができたら達人です。

目の前で見るとなかなかの迫力でしたが、自然界の雷の電圧は約1億V、光っている時間は最大2秒ほど、長さは最大10kmにもなるということで、その規模の大きさがわかりますね。

ちなみに、太陽系の他の惑星でも雷は存在していて、木星の雷は、その性質が地球の雷に近い(※2)ことがわかっています。

宇宙飛行士になりきってみよう!

こちらは、宇宙飛行士になりきれる超体験型の展示室!子どもたちもまさに本領発揮!という勢いで、終始楽しそうな声が響き渡っていました。

中でも人気だったのは、月面でジャンプした時の重力を体験できる「月面ジャンプ」。月の表面では重力は 1/6G(地球の表面重力の約 1/6)ですが、実際に体験することで、普段意識することのない「重力」を感じて、意識することもできます。

月面ジャンプ(画像提供:はまぎん こども宇宙科学館)

 

他にも、空間移動ユニット、重力ボールキャッチ、風の力くらべ、ストリームボール、惑星ジムなど、遊具のような、それでいてしっかり学べる展示がズラリ。

惑星ジム(画像提供:はまぎん こども宇宙科学館)

 

このようにたくさんの展示があり、楽しいだけではなく、宇宙飛行士になるために必要な訓練や努力についても伝えている点も推しポイントです!


ギネス認定!超絶プラネタリウム!

そしていよいよ、実は一番楽しみにしていたプラネタリウムです!なんと、このプラネタリウムで使われているプラネタリウム投影機(MEGASTAR-IIA)が、少なくとも7億個の恒星を投影できるプラネタリウム投影機として、ギネス世界記録™に登録されているのです。

プラネタリウム(画像提供:はまぎん こども宇宙科学館)

 

その美しさは圧巻でした......。どれだけ街明かりが少なくて空気が澄んでいる場所でも肉眼では見られない星も、見ることができるそうです。

ちなみに、3月に訪れた際には、スライムを作ることができるイベントが開催中で、それにあわせてプラネタリウムのプログラムがスラネタリウムになっていました。

「スライムも宇宙の星たちも、分子や原子からできているから、みんなが作ったスライムは宇宙のカケラだね」という素敵な解説が心に響きました。いろんな体験を繋げて、少しでも特別なものを持ち帰ってもらおうという粋な試みですね。

他にも盛りだくさん

ちなみに「はまぎん こども宇宙科学館」という名前ですが、触ってOKな大きな隕石など、大人でもワクワクできる展示もたくさんあります!

触れる隕石(筆者撮影)

 

▶︎はまぎん こども宇宙科学館 ホームページ

参考文献

(※1) :放流しても魚は増えない」という論文 ↩︎
Intentional release of native species undermines ecological stability

(※2) :木星の雷は、その性質が地球の雷に近い ↩︎
Prevalent lightning sferics at 600 megahertz near Jupiter’s poles

【著者紹介】佐伯 恵太

俳優 / サイエンスコミュニケーター。
1987年5月30日生。京都出身。京都大学大学院理学研究科で修士号を取得し、日本学術振興会特別研究員(DC1)として同大学院博士後期課程に進学。1年間の研究活動の後、俳優に転身した異色の経歴の持ち主。現在は、科学とエンターテイメントの架け橋になるべく、俳優・サイエンスコミュニケーターとして活動中。
【出演ドラマ】BS時代劇「大富豪同心」シリーズ / 「ABEMAヒルズ」コメンテーター / 日本科学振興協会(JAAS)正会員 / 「エンタメ×科学」のプロ集団「asym-line(アシムライン)」代表
プロデューサー・監督・出演者として、YouTube科学番組「らぶラボきゅ〜(※)」を手がけている。
※「東京応化科学技術振興財団」助成事業

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