アカデミアとは?企業の研究職との違いをまじえて解説

2022.06.24

「研究者」と聞くと一日中実験室にこもって研究に没頭しているイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実は、研究者の活躍するフィールドは大学から一般企業までと幅広く、働く場所によって仕事内容や役割が変わってきます。
この記事では、アカデミア研究者と企業研究者の違いについてご紹介します。

アカデミアの研究職はどんな仕事?

アカデミアでは科学の発展を目的に研究を行う

「アカデミア」とは大学や国立研究所のような、国の研究機関を指します。アカデミア研究者として、大学の教員を思い浮かべれば分かりやすいでしょう。

アカデミアは基本的に非営利で、主に学術論文や学会で研究成果を公表し科学を発展させることを目的にしています。

アカデミアでは国の予算から競争的資金と呼ばれる研究費を獲得し、それを資金源に研究することが多いです。

今までの実績や今後の計画を基に各研究者が研究の必要性をアピールし、重要だとみなされた研究から優先順位をつけて競争的資金が割り当てられます。

企業/アカデミア問わず他の研究グループと協力して研究することを共同研究と呼びますが、企業と共同研究する場合は企業から共同研究費を資金として獲得出来ることも多いです。

 

アカデミアでは基礎研究を中心に行う

アカデミアでは新規性が重視され、すぐに世の中の役に立たなくても新しい現象や技術を見出すことを目指した基礎研究を中心に行います。

とはいえ、(必ずしもそうとは限りませんが、)近年は「発表時点で何の役に立つか分かりにくい研究」よりも応用を見据えた研究に研究資金が割り当てられる傾向にあります。

また、研究の過程では「誰もやったことがないこと」にチャレンジするため、測定機器から自作する研究者もいます。

基礎研究で見出した成果は論文発表などを通じて世界中の研究者でシェアし、更なる研究の発展へ繋げていきます。

基礎研究では失敗が多く見通しが立たないこともありますが、その分新しいことを発見したときの喜びは何物にも代えがたいです。

企業の研究職はどんな仕事?

企業では利益を目的に研究を行う

大きな企業だと研究所を自社で持っているところも多いですよね。
企業では営利目的で研究を行います。つまり、自社の新商品や新サービスを創り出し、最終的に利益を得ることが企業における研究の目的です。
研究の主な資金源は企業自身が持つ研究開発費で、研究所へ割り当てられた予算の範囲で研究を行います。
企業の研究ではお金に繋がるかどうかが重要視されるため、将来的なマーケットの大きさや競合製品との差別化など、ビジネス的な視点から研究することも求められます。
苦労して開発した技術を競合他社に真似されてはひとたまりもありませんので、技術を特許として公開し、戦略的に保護するということも視野に入れて研究を行います。

 

企業では応用研究を中心に行う

また、製品開発をゴールとする”研究職”=”開発職”と呼び、いわゆる研究職とは異なる活動ととらえる考え方もありますが、ここでは開発職を含めた企業の研究も含めて、広義の「企業研究」とします。

以前は大企業を中心に「中央研究所」を持つ企業が多数存在し、基礎研究を含めた長期スパンでの研究活動も盛んに行われていましたが、現在、多くの企業ではアカデミアが発表した基礎研究の成果などをヒントに、製品化へと繋げるための応用研究を中心に行っています。

大量生産を目的にスケールアップしても、基礎研究での検討結果と同じにならない・・なんてことも日常茶飯事です。

企業研究ではこのような「論文に書かれていない現象」に対峙し、限られた予算と期間で問題を解決することが求められます。

また、利益を生む製品に繋がるダイヤの原石を発見するのも企業研究者の役目ですので、目利き能力も問われます。

企業の研究ではスケジュールを組んで着実に積み上げるタイプの研究が多いですが、研究結果が世の中に役立つ瞬間を目の当たりにしたときの充実感は企業研究の醍醐味と言えるでしょう。

 

まとめ

以上を簡単にまとめますと、多くの場合はアカデミアでは科学の発展を目的に、企業では利益を目的に研究を行います。

また、アカデミアでは基礎研究を中心に行う一方で、企業では応用研究を行う傾向にあります。

このような違いはありますが、どちらの道でも研究者は世の中の未来・発展に貢献出来る職業であることは間違いありません。

分野や職場によって多少異なる部分もありますが一般論として、研究者を目指す皆様の参考になれば幸いです。