エアロゾルの種類と計測方法の解説

2022.05.13 監修 英弘精機株式会社

この記事はこんな人に向いています

  • 工場、研究所の安全対策として大気観測業務をしている方
  • 大気環境の研究分野の方
  • ナノ材料を開発製造している方

エアロゾルとは

エアロゾルは大気中に飛散している100μm以下の粒子の総称で、花粉やカビの胞子、砂じん、ホコリ、粉排ガスから生じる煤などさまざまな種類の粒子が存在します。特に、100nm(0.1μm)以下の粒子はナノ粒子と呼ばれ、HEPAフィルターなど高性能フィルターを用いても除去が難しくなります。最近では、ニュースや天気予報でPM2.5の飛散量予測を掲示していますが、これは2.5μm以下のエアロゾルの飛散量を表しており、大気の清浄度の指標となります。

エアロゾルの濃度を測定することは重要

空気の清浄度の表す上で、エアロゾルの濃度を計測することは重要です。例えば、トンネル工事などの現場では、工法や現場管理の状況によって飛散する砂塵の量が異なり、砂塵計によって飛散量が管理することが義務付けられています。PM2.5は、各都道府県で観測、発表されており、飛散量の多い日はニュースや天気予報で注意喚起がなされています。
工場や研究所などで材料として粉体を使用する場合や切削作業、溶接作業などでは、粉塵が飛散します。ドラフトや排気設備などの対策が、適切に稼働しているかを常時監視する必要があります。

エアロゾルの濃度測定装置には様々のものがある

エアロゾルは幅広いサイズレンジのものがあり、サイズに応じて飛散量を測定する原理が異なります。0.3μm以上の粒子は光学的な測定方式が用いられ、それ以下の粒子やカーボンのように光を吸収する粒子は特殊な測定原理が用いられます。

ホコリ、粉じん、砂じんを測定する

最も広く用いられる測定原理が光学測定法です。照射した光をエアロゾル粒子が散乱します。この散乱された光を検出することで粒子濃度、粒子サイズを測定することができます。エアコンや空気清浄機などの一部ではこの方式で空気の清浄度を監視し、作動をコントロールしています。

PM2.5を測定する

都市の大気の清浄性の指標として全国に 箇所の観測所があり、都道府県や国が管理、計測しています。
計測法は、フィルタでPM2.5を捕集し、重量を測定します。また、自動計測法として、TEOM法、β線吸収法、光散乱法が公定法として定められています。環境省の定めた基準は、1日の平均が35μg/m3以下になります。2011年以降減少傾向であり、近年は環境基準をほぼ達成しています。

花粉を測定する

春になると花粉が飛散します。最近では、TVのニュースやインターネットのHPでは飛散量予測だけでなく、各都道府県に設置された観測所で実測した飛散量が公開されています。
飛散量は、観測所に設置した板の上に付着した花粉の数を職員が人力で数える方法が主流です。砂じんなど花粉以外のエアロゾル粒子も捕集されるため、職員が花粉を選別して数を数えています。最近では、自動計測器が導入され始めています。花粉内の細胞は紫外線を照射すると蛍光発光するため、蛍光発光を測定することで、砂じんと花粉を選別してカウントしています。

ナノ粒子を測定する

ナノ粒子は光学測定で使用される光の波長よりもサイズが小さく、光学的に検出することができないため、凝縮式粒子計数機という溶媒をナノ粒子に付着させることで、光学的に検出できるサイズまで大きくすることで、粒子濃度を計測する手法がとられます。この場合、溶媒を定期的に添加する必要があり、長期観測に制限があります。


ナノ粒子評価測定装置Partector2

カーボン(排ガス スス)を測定する

自動車や船舶の排ガスからはススとしてカーボン粒子が排出されます。現代の自動車は排ガス規制のため、発生するススの量は非常に少なくなっています。
カーボン粒子を一般的な光学装置で濃度測定使用としても、カーボンが光を強く吸収するため、正確な粒子濃度を測定することができません。よって、カーボンの濃度測定にはカーボン測定に適した粒子に電化を与えて電荷量を測定する方法や、強いレーザーを照射し、レーザーを吸収したカーボン粒子から発する熱を測定するなど、特殊な計測装置が必要となります。

まとめ

エアロゾルの濃度を測定することは、人体への影響を考慮すると継続的に観測、発信することが必要です。特に工場や研究所では人体に有害な物質を扱うこともあり、十分な対策とともに、対策が機能しているかを監視する必要があります。測定には、粒子のサイズレンジや種類によって、適切な装置を用いることが重要となります。